ASSOCIATION OF JOB INFORMATION OF JAPAN
公益社団法人 全国求人情報協会

「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」 に関する当協会のスタンスについて

「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」に関する当協会のスタンスについて

2022 年 10 月 11 日

公益社団法人全国求人情報協会

公益社団法人全国求人情報協会は、2022 年 6 月 13 日発表の「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(いわゆる三省合意)ならびに、三省合意内でも言及された、2022 年 4 月 18 日発表の、採用と大学教育の未来に関する産学協議会 2021 年度報告書「産学協働による自律的なキャリア形成の推進」(以下「報告書」という。)で示された産学協働による学生のキャリア形成支援活動(4 類型)に対し、今年度、採用・インターンシップ分科会において周知活動およびフォローアップを実施されるにあたり、以下のとおり考え方を表明する。

三省合意ならびに報告書が示した、今後のインターンシップのあるべき姿に対して賛意を表明する。学業との両立の観点を考慮したうえで、就業体験を伴う質の高いインターンシップを実施することならびに、そのインターンシップを核として、学生のキャリア形成を産学協働で支援していくことは重要であり、今後のあるべきインターンシップ等の認知・定着に向けて、引き続き関係各者と連携しながら 2025 年卒はシステム改修等の都合から段階的対応とし、2026 年卒から要請を踏まえ対応できるよう取り組みを推進していきたい。

当協会としてはまず、周知活動を進めるにあたり、今回の報告書で示された産学合意をベースに 2022 年 6 月 13 日に改正された三省合意において、4 類型のうちタイプ 3、4 が「インターンシップ」であると整理されたことを踏まえ、タイプ 3、4 に該当すると考えられるプログラムに「インターンシップ」名称を使用する。

また、4類型のうち、「個社・業界の情報提供・PR」を目的としたキャリア形成支援プログラムである、タイプ1について、その存在や、「学士・修士・博士課程の全期間(年次不問)で設定することで、学生が自らの判断で、大学入学後から主体的かつじっくりと自らの将来のキャリアを考えるきっかけや検討材料を提供」するという意義については賛同する。タイプ1は基本的に就業体験を伴わないことが想定されており、これまで以上に多くの機会が提供されることが見込まれるところ、当協会として、目的に沿った機会を提供することに努める。具体的には、採用・選考の一環と捉えられるプログラムや、あたかもキャリア支援と称して学生に対して不利益や過度な負担を強いる取り組み(高額な金銭負担や実態としての労働など)の掲載はしない。加えて、開催時期・方法は、学業との両立に十分に配慮する。

一方で、インターンシップ参加者のうち約半数の学生が、インターンシップ参加者を対象とした早期選考の案内を受けている(1)データがあることを踏まえると、現行の就職・採用活動に関する要請のとおり「企業は本プログラムで取得した学生情報を採用活動に活用することは認められない」と規定しても、プログラムを実施するにあたり必要な個人情報の受け渡しが行われ、結果早期に採用選考に活用されるケースの増加が考えられる。現状、インターンシップへのすべての参加回数のうち、1 日以下のプログラムへの参加回数が約 8 割を占め(2)ており、大学入学以降、随時参加することができるタイプ1の普及により、就職活動の早期化が助長される恐れがある。その結果としてタイプ 3、4 よりもタイプ 1 の方が学生・企業にとって就職・採用活動において効率的と捉えられ、タイプ 3、4 の推進が阻害される懸念がある。

また、当協会としては、政府からの就職・採用活動に関する要請にもあるように広報活動開始前の個人情報の取り扱いについて周知をしているが、企業・学生間における規約に基づいた扱いとなるため、企業による学生の個人情報の取り扱いについて、正しく順守されるよう、政府や産学協議会からも、取り組みや要請を期待する。

今後も様々な課題が生じることが予想されるところ、引き続き関係者の皆様と対話を重ねながら、共通の課題認識を持ったうえで、よりよいインターンシップ実現に向けて当協会としても尽力してまいりたい。

以上


(1) 内閣府 令和 3 年度委託調査事業「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書」
(2) 同上


産学協議会WEBサイト