皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
現在、私たちを取り巻く“はたらく”の環境は、これまでにないスピードで変化しています。
生成AIをはじめとするテクノロジーの進化は、産業構造や業務の在り方を大きく変え、求職者の仕事観・生活観も多様化・個別化が進んでいます。
一方、企業ではリモートワークや副業・兼業の制度整備、採用手法の変革が進み、従来の画一的な雇用モデルから、柔軟で選択肢のある人材活用へ移行しています。
このような動きは、単なる「働き方改革」にとどまらず、社会全体の“はたらく”概念を問い直す転換点となっています。
このような時代において、当協会の使命はますます重要性を増しています。
私たちは求人情報の適正化とその信頼性確保を基盤とし、働き手と企業の間に誠実なマッチングを支える情報インフラの整備に努めてまいりました。
現在、当協会では「求人広告掲載件数等集計結果」や「雇用形態別の平均賃金データ」を公表し、市場動向の可視化に取り組んでいます。
求人件数の推移や職種分類別の動向、賃金水準の変化など、求職・採用活動の現場で役立つデータとして幅広くご活用いただいております。
また、厚生労働省より受託している「優良募集情報等提供事業者認定制度」では、信頼できる求人情報を提供する事業者の認定が広がっています。
本制度は求人情報の適正表示や利用者保護、苦情対応体制など、多面的な観点から事業者を評価し、求職者・求人者双方にとって有意義な選択指標となるものです。
今後も制度の認知拡大と活用促進を進め、業界全体の質の向上に寄与してまいります。
一方で、近年、求人情報の健全性に関する課題も顕在化しております。有害業務の掲載や誇大表現など、求職者の安全を守るための取り組みがますます重要になっています。
当協会では自主的なガイドラインの見直しや事業者への助言・是正依頼を通じて、求人情報の透明性・信頼性を高めるとともに、求人媒体の社会的信用を維持するための活動を進めています。
さらに、官民連携の強化も重要なテーマです。労働市場の活性化や構造的課題の改善に向けて、当協会は引き続き尽力してまいります。
働く環境が大きく変化する今だからこそ、「信頼される求人情報」の価値は、かつてなく高まっています。当協会は公平・公正・中立の立場から、求人情報の適正化とサービス機能の進化に努めてまいります。
本年度も皆様の温かいご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のますますのご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。
公益社団法人全国求人情報協会
理事長 瀬野尾 裕